ねぇ、先生。
「大事にするから」
この人は、ちゃんと大事にしてくれる。
ずっと待っていてくれたんだ。
大丈夫。加地くんとならきっと。
「よろしくお願いします」
だから、最後のお願い。
あたしの心の中だけ。
…この花が枯れてしまうまでは、先生のことを想ってしまってもいいかな。
絶対にそれを加地くんに勘付かせたりしないから。気づかれないように、ちゃんと笑顔でいるから。
「俺すげー幸せ。」
「んふふ、よかった」
これから先、先生とのことを加地くんと笑って話せるようになるから。
加地くんがこれからもずっと幸せだって思えるように、あたし頑張るから。
「行くか、クラス会」
「うん、そうだね」