ねぇ、先生。

「大事にするから」

この人は、ちゃんと大事にしてくれる。

ずっと待っていてくれたんだ。

大丈夫。加地くんとならきっと。


「よろしくお願いします」


だから、最後のお願い。

あたしの心の中だけ。

…この花が枯れてしまうまでは、先生のことを想ってしまってもいいかな。

絶対にそれを加地くんに勘付かせたりしないから。気づかれないように、ちゃんと笑顔でいるから。


「俺すげー幸せ。」

「んふふ、よかった」

これから先、先生とのことを加地くんと笑って話せるようになるから。

加地くんがこれからもずっと幸せだって思えるように、あたし頑張るから。

「行くか、クラス会」

「うん、そうだね」

< 447 / 451 >

この作品をシェア

pagetop