ねぇ、先生。
「それと、咲良。」
「え?」
あたしは何作ろうかな、なんて考えてたときだった。
中村さんがあたしの名前を呼ぶ。
「お前は校内に貼る宣伝ポスター作れ。」
「えっ、何で…」
「お前元書道部だよな。字綺麗だろ?」
元書道部って…中村さんいったいいつの話してるの。
一応1年生の頃から書道部に所属はしてたし、賞だって貰ったこともある。
でも、それは1年の秋くらいまでのこと。
それからは顧問の先生が産休に入っちゃったし、あたしもバイトが忙しくなって辞めちゃったんだ。
「篠原先生、手伝ってやってください」
「はい、分かりました」