ねぇ、先生。

「待ってるから」

「…分かりました」

今日は木曜日だけど、美術室には行かないことにした。

2日連続は、何だかダメな気がしたから。

「じゃあ、また明日ね」

そう言って去って行く。


決して高いわけではない身長も、幼い顔も、先生に見えない大きな要因だ。

でもだからって女っぽいとか、そういう意味じゃない。

肩幅は広いし、手だって綺麗だけど男の人の手だし、体格だってゴツいわけじゃないけど華奢なわけでもない。

男の人って感じ。

のんびりしてるけど、絵を描いてるときは誰よりもカッコいいんだから。

…でもそれは、あたしだけが知ってればいいの。
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