ねぇ、先生。
「終わったねー」
グッと伸びをして、描き終わったポスターをまとめる。
「お疲れ様です」
伸びをしてる姿が可愛くて、思わずそんな言葉をかけていた。
先生はすぐにふにゃんと笑って、咲良さんもお疲れ様、なんて言う。
こういうとこ、先生に見えない。
「あ、ちょっと待ってて?」
何を思ったのか、急に立ち上がって美術室を出て行ってしまった。
待っててって言ってた。
ポスターが描き終わったら持ってこいって中村さんに言われたけど、まぁいいか…
だって、先生行っちゃったし。
待っててって言われたのに、勝手にここを出るのは悪い気がする。
…少しくらいなら、いいでしょ?
あんな風に先生と2人になる機会は限られてるんだから、それなら少しでも長い時間いたい。