ねぇ、先生。
先生、行動する前に考えた方がいいよ。
先生みたいに笑顔が可愛くてカッコよくて優しい人がそんなこと言ったら、女の子はその気になっちゃうんだから。
その気がないのに、それはダメだよ。
「雨、降ってきましたね」
誤魔化すように窓の外に目を向けて、ポツポツと降り続く雨を見つめた。
「梅雨だからね」
そう、今は梅雨だ。
気づかないうちにどんどん時間は進んでいく。
先生がここに来たときには桜が綺麗に咲いてたのに、今ではもう桜の木には緑の葉っぱしかない。
「文化祭、晴れたらいいね」
笑顔の先生に頷くのが精一杯。
「明日からは教室だね」
やめてよ、もう。
「俺も手伝うから、頑張ろう」
「…はい」