ねぇ、先生。
「じゃあ梨花も中なんだ?」
「うん。あ、でも休憩時間は茉央と一緒だから!文化祭、一緒に回ってくれる?」
「もちろん」
やったー!なんて喜んでる梨花。飛び跳ねてると梨花は誰かにぶつかった。
「いてっ…」
ドンッと音がした方を見ると、苦笑いの篠原先生がいる。
「わっ、ごめん先生!」
「ううん、大丈夫」
ふにゃんと笑って腕をさすってる先生を見て、言葉が出なかった。
「あれ、先生明日それ着るの?」
あたしの言いたかったことを、梨花が先生に言った。
先生はいつもの緩い格好とは一変。
絵の具なんてどこにも付いてないし、シャツもシワ一つない。黒いマントに身を包んだ彼は…
「うん、吸血鬼。どう?」
紛れもなく吸血鬼。
「似合ってますよ!ね、茉央!」
「えっ…あ、はい。似合ってます…」
突然話を振られたもんだから、きっと顔に動揺が表れてた。