ねぇ、先生。

先生を好きになる子の気持ちが分からない、そうずっと思ってた。

だけど、今あたしが恋してるのは紛れもなく、うちの学校の先生だ。

それに加えて副担任。

好きになったのは、先生だって知るずっと前からだったから仕方ない。

知ってたらこうなる前に抑えてるよ。


「あ、中村さん。文化祭終わったらジュース奢ってくれるんだよね?」

「あー、そういえば言ったな。」

「何それ、ズルい。あたしにも!」

「お前も買い出し行ったもんな。仕方ねぇ。他のやつらには内緒な?」

フッと笑った中村さんは、それだけ言って服を着替えに行ってしまった。


「…じゃあ、俺も着替えてくる」

「あっ、はい」

それに続いて篠原先生も。

何だ、残念。

もう少し見ていたかったのに。
< 75 / 451 >

この作品をシェア

pagetop