ねぇ、先生。
「告白とか、しないの?」
「し、しないよ!」
「何で?せっかく知り合えたのにもったいなくない?」
もったいないって言われても…
「…好きになるのは自由かもしれないけど、それを伝えると困る人もいるでしょ?篠原先生だって、きっと困るはずだから」
だってこの前あたしの顔が赤くなったときも、先生は困った顔してた。
先生があたしと2人きりになるのは、あたしのことを生徒だと思ってるから。
2人きりになっても、そういう心配がないからなんじゃないかな。
「…いいの?」
少し悲しげな梨花の瞳があたしを捉えて離さない。
「あの人がここに来るよりもずっと前から好きだったのに、気持ち伝えないまま終わるわけ?」
「…仕方ないでしょ、相手は先生なんだから…ダメなんだよそんなの」