ねぇ、先生。
忙しそうに走り回るシロに呼ばれた梨花。
そういえば実行委員だっけ。
文化祭の前日はいつも元気なシロでも大変みたいで、今日はちょっかいを全く出してこない。
それだけ忙しいってこと。
「咲良、ポスター貼ってこい」
座って忙しそうなシロをボーッと眺めてると、中村さんにそう言われた。
「えー、1人で?」
「誰も手あいてねぇの。10枚くらい1人で貼れんだろ」
またそうやって中村さんは、あたしのことこき使うんだから。
「目立つとこに貼ってこいよ」
「ほんとに1人でやらせるわけ?」
「わがまま言うなよ。見てみろ、全員忙しそうだろ?」
「そうだけどー…」
確かにみんな忙しそうに教室内をお化け屋敷に仕上げてて、暇そうなのといえばあたしの中村さんと篠原先生くらいだ。
「あ、剥がすときもよろしく。」
「いや、うそ。ありえない」
この人ほんとにひどい。
あたしのことポスター係だとでも思ってるわけ?