ねぇ、先生。

決してあたしのものにはならないのに。

そう思うと急に虚しくなって、あたしがもっと大人だったら…なんて考えてしまうんだ。

もしあたしが今、先生と同じように社会人だったら。

堂々と先生に気持ちを伝えられる。

伝えられなくたって、一緒にいることに罪悪感なんて感じないだろう。


「…先生、今何歳でしたっけ?」

「んー?今年で25歳だけど」

…7歳上。

聞けば聞くほどその差は大きく聞こえて、見た目よりも離れてることを思い知らされる。


「咲良さんは今年で18歳だよね」

あたしだけじゃなく、この学校の…ていうか、全国の高校3年生はみんな今年で18歳になる。

「若いね、7歳も下だと」

「……そんなに違いますかね」

「そりゃあ、現役高校生と比べたらね」


先生の口から直接聞くとこんなにも破壊力があるんだ。

自分で思うよりもずっとずっと、現実を突き付けられてる気がした。


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