ねぇ、先生。

懐いてますよ。

あなたが思ってる通り、好きだからこうして自分から関わろうとしてるんです。

でも先生は、あたしがこんな風に思ってるってこと、全く知らないでしょ?


「…勘違いじゃないですよ。あたしは先生が好きだから手伝ってるんです」

「…そっかー、よかった。…あー、そういえばもう1年もないんだっけ?」

…何だ、やっぱり。

あたしが好きだって言っても、先生は当たり前みたいに先生として受け取るんだよね。

きっと、先生として好かれてるんだって思ってるからだよね。

…可能性も考えないわけだ。


「卒業までよろしく。」

「…こちらこそ」

先生の言う通り、もう1年もない。

受験なんてすぐに始まるし、文化祭が終われば残されたイベントは体育祭だけになってしまう。

少しずつ終わりに近づいてる。

終われば、先生に会えなくなる。

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