ねぇ、先生。
滲んだポスター
ガヤガヤと騒がしい廊下。
この時期に魔女の格好で客の呼び込みなんて、罰ゲームだよ。
「中では絶対に走らないでください」
一通り説明が終わって、女の子数人を教室へと進ませる。
…さっきからその繰り返しだ。
「人気だなー。」
「あ、中村さん。暇なら手伝ってよ」
「ばか、俺はこれから仕事があんの。つーか、もうそろそろ終わるだろ」
あたしのすぐ近くではあの衣装を着た篠原先生が忙しそうに動いてる。
思っていた通り、彼は女の子から注目されまくりで、そのおかげで客が増えてるって言っても間違いじゃない。
文化祭2日目。
一般公開の今日は朝からずっと教室の前に人が並んでる。
このお化け屋敷に入るために。
「篠原先生、任せちゃってすいません。」
「あぁ、大丈夫ですよ。普段は俺が任せっきりなんで、今日くらい頑張ります」