ねぇ、先生。

中村さんはサボってるわけじゃない。

むしろクラスの手伝いをする暇がないくらい仕事が山積みで忙しいみたい。

「咲良も、ごめんな。任せっきりで。」

意外と責任感強い人だから、忙しいのにこうして様子を見に来てくれる。

それだけで十分なのにな。


「いいよ、中村さんも忙しいんだから。それに、ジュース奢ってくれるんでしょ?それで十分だよ」

仕方ねぇな、なんて言いながらも中村さんは笑ってる。

そして時計を見ると慌てて篠原先生によろしくお願いします、と言って走って行ってしまった。


「あと1時間で終わりだから、今並んでる人で終わりにしようか」

「1時間でみんな入れますかね?」

「少し急いでもらおう」


思いのほか忙しかったお化け屋敷。

本来ならきちんと取れる休憩も、短すぎて何も見て回れなかった。

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