ねぇ、先生。

――――――
―――――――…

今のこの状況を一言で表すなら、まさに地獄絵図ってやつだ。

床に座り込むゾンビや血だらけの女の人。その他にも転がってるマネキンの手や足や首。

暗幕を取り払ったあとの教室内は明るくなったはずなのに不気味で、ドヨーンとした空気が流れてた。


「梨花、お疲れ様」

「ん…茉央も、おつかれ」

疲れ切ってるみんなはゆっくり後片付けを始める。

大きなものは明日纏めて片付けるから、散らばってるマネキンなんかを老人みたいに集めてる。

みんな喋る元気もないみたい。


「あ…ポスター…」

あたしがポツリと呟くと、近くにいた先生も思い出したような顔をして苦笑い。

「剥がさないとね」

「ですねー…」

きっと先生も言葉に出さないだけですごく疲れてるから、本音を言えばポスターは明日剥がしたいんだろう。

でも決まりは決まり。

全クラス今日剥がすように言われてる。

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