人間になった犬のクロ

「ただいまー‼︎…って誰もいないか」

静寂な家なんてもう慣れっこ
小さい時から両親は共働きで、
家で一人いる事なんてもう当たり前のようになっているこの生活。

小学生のとき、
一度も授業参観なんか来てくれなかったけ…。

でもあえてわがままなんて言わない。
てか、言えない。
パパとママがどれだけ忙しいかわかってる事だし…。


一人黙々思っていると、玄関の扉が開いた。

「あれ…?パパ今日は早いんだね!」

「おう!当たり前だろ!今日はお前の誕生日なんだから!」

自然に笑みがこぼれる。
生憎、ママはどうしても外せない仕事だから今日も残業で帰ってこれないんだって。

でもパパだけでも私はとても嬉しいよ!

するとパパはなにやら箱を抱えていた。
不思議そうに私がそれを見ていると、、、。。。



「ぎゃああああああああああああ‼︎」

私は慌ててリビングに逃げて行った。

「お、おいどうした穂奈…!近所に迷惑だろ!!」

だだだだだだって、
あの箱の中には…

「父さんの知り合いでな?保健所に働いてるひとがおるんだが、里親さがしている犬がいるみたいで、ほら!お前いつも家一人だろ⁉︎だから父さんな、お前のために……」

黒くて、胴体が長い…


それは…




「ミニチュアダックスフンドを引き取ってきたんだよ」

「こっちつれてないでええええ!!!」








パパは不思議そうに
私を見ている。
そりゃそう。
滅多にいないか分からないが
私は大の犬が…






嫌いなんです。
< 2 / 2 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

公開作品はありません

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop