いつもギュッと抱き締めて


「ねえ」


「ん?」


 彼は満足げに答えると、また肌を撫ではじめた。


「どうして……この季節になると優しいの?」


「優しい?」


「うん……こうやって、抱き締めてくれるから」


「ああー、いつもは悪い」


 彼はばつが悪そうに言った。


「……いつもは、布が多いだろ? 脱がせることに必死で、脱いだら脱いだで我慢が出来ない」


 彼の腕に、また力が入った。


「んで、この季節は布は少ないんだけど、肌が気持ち良すぎて抱き締めたくなる。どこもかしこも気持ちよくて、いつまでも触っていたくなる」


 そう言って、また彼はキャミソールの下に片手を滑り込ませた。


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