いつもギュッと抱き締めて




 自分のためというより、この季節だけのあることのために……。


 ボディークリームの蓋をしめると、玄関の扉の閉まる音が響いた。


 あたしは、ショートパンツを穿くとバスルームを出た。


 彼はすでに缶ビールを飲みながら、ソファーで寛いでいる。


 あたしも缶ビールを持って、彼の横に座った。


「なんで、そんな離れて座んだよ」


「だって、外から帰ったばっかで暑いでしょ?」


 あたしは、彼を見つめた。


 
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