いつもギュッと抱き締めて



 その目は熱く燃えていて、これまでの季節と同じように見えた。


 でも、だらしなく座った彼は、片足をソファーの上で立て、早急な態度は見せない。


「暑くねーよ。こっちこい」


 のんびりと体を動かし、あたしの腰に腕を回して足の間に抱き寄せる。


 背中が彼の胸板に当り、ギュッと抱き締められる。


 手はあたしの腕を撫で、肩と首の間に彼は顔を埋めて深く息を吸った。


 この時を待っていた。


 夏だけ、彼はゆっくりと抱き締めてくれる。


 気だるげに腕を撫でながら、肩や首に優しくキスをしてくれて、長い愛撫が始まった。


 しばらく、性的な接触はキスと撫でる手だけ。




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