【完】切ないよ、仇野君
優しいよ、仇野君
人生最大にしょっぱい失恋が、今日という日に巻き起こった。
ハンドボール部の篠田君は皆に分け隔てなく優しい人で、それは私にも適用されていた。
身長175センチ……女にしてはとてつもなく大きな私に対して、他の女子生徒と同じ扱いで接してくれた。
そんなの、恋するに決まってるじゃん。
けれど、とんだ勘違い。忘れちゃいけなかったことがある。
私は、決して少女漫画の主役みたいにはなれないんだってことを……。