【完】切ないよ、仇野君
どうしよう……と行き場も無くキョロキョロとしていると、良いタイミングで女神様が現れた。


「ちー！おはよー！同じクラスげな超嬉し過ぎっとやけどー！」


その女神様は、148センチの小柄で可愛らしくぽっちゃりした体で私へ向かって飛び付く。


「ちょっと……手加減してばい！雅美！」


「えへへ！嬉しくて、つい」


この小さな女神様の名前は、浅蔵雅美(あさくら まさみ)。私の中学校の頃からの友達で、唯一無二の親友だ。


去年は別のクラスだったけど、今年からは同じクラスになっていた。


「もー、これから毎日が楽しみ過ぎやし！先生神過ぎるわ…………って、うわぁぁ！デカッ！超大型巨人！でもイケメン！何センチあるとー！？」


元気いっぱいで、いつも素直な雅美の視線の先には、雅美より60センチは大きいだろう仇野君。


流石に、仇野君でも今の言われようはムカつくんじゃないのかな……。


そう思い、恐る恐る仇野君の顔を見上げると、心配を他所に、仇野君はニコニコと優しく笑っていた。
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