【完】切ないよ、仇野君
「おいひかぁ……優しか味やね」
「バファリンより優しく出来てますから」
満足げに笑う椿を見てると、何度も思うことがある。
この人のことを好きになってたら、私はこんなに悩んだりしなかったんだろうなって。
誰にでも別け隔てなく優しい泰ちゃんと比べて、椿は慣れた人にしか優しい一面を見せない。
本人曰く、『超絶チキンだから』らしく、その小生意気な瞳で慣れない人をじっと睨む癖がある。
去年文化祭実行委員で初めて一緒になった時も、最初は違う言葉を喋る距離を縮めにくい男の子だなぁ、と思ったし。
でも、仲良くなってからの椿はホントは優しくて、頭が良いから人の嫌だと思う部分に踏み込まない人だって分かった。
泰ちゃんといる時みたいな甘い感情や、胸が締め付けられる想いは感じない。
椿といると、気張らない自分でいられる安心感でいっぱいになるんだ。
「バファリンより優しく出来てますから」
満足げに笑う椿を見てると、何度も思うことがある。
この人のことを好きになってたら、私はこんなに悩んだりしなかったんだろうなって。
誰にでも別け隔てなく優しい泰ちゃんと比べて、椿は慣れた人にしか優しい一面を見せない。
本人曰く、『超絶チキンだから』らしく、その小生意気な瞳で慣れない人をじっと睨む癖がある。
去年文化祭実行委員で初めて一緒になった時も、最初は違う言葉を喋る距離を縮めにくい男の子だなぁ、と思ったし。
でも、仲良くなってからの椿はホントは優しくて、頭が良いから人の嫌だと思う部分に踏み込まない人だって分かった。
泰ちゃんといる時みたいな甘い感情や、胸が締め付けられる想いは感じない。
椿といると、気張らない自分でいられる安心感でいっぱいになるんだ。