【完】切ないよ、仇野君
「椿は、なんで私が辞めようって思ったん分かったと?」
「お前見てりゃ分かんだよ。だって、去年の文化祭実行委員の時から、俺……」
ぐっと唇を結び、言葉を詰まらせた椿は、視線を反らし耳を赤くする。
「文化祭実行委員の時から……何?」
続きが聞きたくて問いかけると、椿はそのゴツゴツの掌で私の顔を押さえつける。
「ぶっ……!つば、き?」
「チクショー、言わねーよ。言わねー、うん。何でもねぇし!」
「えぇぇ!?何なん?ってか、椿耳真っ赤ばい?どやんしたと?」
結局言葉を濁したまま椿はわざとらしく笑い声を上げてその話をやめてしまった。
これが少女漫画の主人公だったら、告白でもされていたのかな。
でも……ううん。私は少女漫画の主人公にはなれない。今現実を生きる『彩月千歳』っていう、背の高い、うじうじした普通の女子高生なんだから。
「お前見てりゃ分かんだよ。だって、去年の文化祭実行委員の時から、俺……」
ぐっと唇を結び、言葉を詰まらせた椿は、視線を反らし耳を赤くする。
「文化祭実行委員の時から……何?」
続きが聞きたくて問いかけると、椿はそのゴツゴツの掌で私の顔を押さえつける。
「ぶっ……!つば、き?」
「チクショー、言わねーよ。言わねー、うん。何でもねぇし!」
「えぇぇ!?何なん?ってか、椿耳真っ赤ばい?どやんしたと?」
結局言葉を濁したまま椿はわざとらしく笑い声を上げてその話をやめてしまった。
これが少女漫画の主人公だったら、告白でもされていたのかな。
でも……ううん。私は少女漫画の主人公にはなれない。今現実を生きる『彩月千歳』っていう、背の高い、うじうじした普通の女子高生なんだから。