【完】切ないよ、仇野君

キラキラだよ、仇野君

六月某日。来週にインターハイを控えた私達水高バスケ部は、県の強豪校が集まる合同練習試合に来ていた。


「今年は開催校の肥後学とうち、古豪菊地高校に加えて荒商の四校の合同じゃ。練習だけんて気ば抜くなよ！」


「「「「はいっ！」」」」


スポーツ特待生の集まる高校で有名な肥後学園大学付属高校の大きな体育館を背中に、箱田先生は今日も元気だ。


他校の先生達が集まるところに向かうとのことで箱田先生と別れた私達は、その大きな体育館にゾロゾロと入っていく。


「わぁ……やっぱり私立は凄かですね。体育館ひとつでんデカかばい」


バスに乗ってた時にチラッと見た限り、この第一体育館以外にももうひとつ体育館と武道場、大きな部室棟に寮もあるみたい。


更に体育館の中にジムみたいな大きなトレーニングルームまで完備されてて、私はキョロキョロとひっきりなしに首を動かしてしまう。


そういえば、中学の時に卓球で全国大会に行った凄い同級生が肥後学に行ってるんだったっけ、なんて、ぼんやりと関係のないことを思い出した。