【完】切ないよ、仇野君
「でも、その代わりディフェンス陣が良いね。リバウンド、行雲キャプテンも泰ちゃんもかなりとれてる」
「そんなら、次は練習しよったあん動き、試してみらんや?」
小声でぶつぶつ呟いていた椿とそれを見ていた私達の後ろには、いつの間にか腹部の汗を拭いながら近づく泰ちゃんがいた。
「次、荒商相手だよ?」
「構わん。そいで負けてん、これはインハイ本番やなかし、試してみる価値は充分やろ」
椿になにやら相談する泰ちゃんは、いつものほんわりとした穏やかな男の子じゃない。
瞳をぎらつかせ、闘志をたぎらせ、そして、フロアにそびえ立つゴールを見据えた。
あの横顔に、私の胸はチクチクと痛む。
泰ちゃんのあの瞳には、今はゴールしか見えてないんだって、そう思ったから。
ねぇ泰ちゃん、君を見ているとこの『好き』は切ないよ。
「そんなら、次は練習しよったあん動き、試してみらんや?」
小声でぶつぶつ呟いていた椿とそれを見ていた私達の後ろには、いつの間にか腹部の汗を拭いながら近づく泰ちゃんがいた。
「次、荒商相手だよ?」
「構わん。そいで負けてん、これはインハイ本番やなかし、試してみる価値は充分やろ」
椿になにやら相談する泰ちゃんは、いつものほんわりとした穏やかな男の子じゃない。
瞳をぎらつかせ、闘志をたぎらせ、そして、フロアにそびえ立つゴールを見据えた。
あの横顔に、私の胸はチクチクと痛む。
泰ちゃんのあの瞳には、今はゴールしか見えてないんだって、そう思ったから。
ねぇ泰ちゃん、君を見ているとこの『好き』は切ないよ。