【完】切ないよ、仇野君
スタープレイヤーとも言える歩君から、力業でボールを弾いた泰ちゃんは、ルーズボールを零すことなく取り、その体格からじゃ信じられないスピードでゴールに走る。
「いっけぇぇぇ!!」
由貴先輩の声がフロアにこだまして、泰ちゃんのエンジンに動力が更にかかる。
そのスピードのまま突っ込むようにゴールに向かった泰ちゃんの勢いそのまま、ボールはバックボードにぶつかってゴールから弾ける。
しかし、相手選手も、味方の行雲キャプテンもケイ先輩もリバウンドを取る前に、背の高い泰ちゃんはボールをちょい、と押して軌道をずらし、ボールをゴールへ導いた。
その迫力に、全身が興奮で栗立ち、声を出さずにはいられない。
「ナイスムーヴ!」
それに応えるように、泰ちゃんが拳をこちらへ向けて、すぐにディフェンスに走っていった。
普段の優しい泰ちゃんより、もしかしたらこの強気でバスケに一直線な泰ちゃんが本来の姿なのかもしれない。
だから、私の恋心はこの夏が終わるまで、そっと落とし蓋をして夏の熱気で蒸してしまおう。
「いっけぇぇぇ!!」
由貴先輩の声がフロアにこだまして、泰ちゃんのエンジンに動力が更にかかる。
そのスピードのまま突っ込むようにゴールに向かった泰ちゃんの勢いそのまま、ボールはバックボードにぶつかってゴールから弾ける。
しかし、相手選手も、味方の行雲キャプテンもケイ先輩もリバウンドを取る前に、背の高い泰ちゃんはボールをちょい、と押して軌道をずらし、ボールをゴールへ導いた。
その迫力に、全身が興奮で栗立ち、声を出さずにはいられない。
「ナイスムーヴ!」
それに応えるように、泰ちゃんが拳をこちらへ向けて、すぐにディフェンスに走っていった。
普段の優しい泰ちゃんより、もしかしたらこの強気でバスケに一直線な泰ちゃんが本来の姿なのかもしれない。
だから、私の恋心はこの夏が終わるまで、そっと落とし蓋をして夏の熱気で蒸してしまおう。