【完】切ないよ、仇野君
「色々知っとったつに、シノっち好きになってしまったこつ、なかなか言えんくて……ホント最低やし!」


ブンブンと首を振る雅美はやっぱり小動物みたいで、私には出来ないし良いなって思うけど、雅美に対して負の感情を抱くことはない。


「許さんよ……相談してくれんかったこと。親友やのに」


だけど、こんな意地悪なことを言うようになったのは多分椿や雫ちゃんの影響かな?


「おめでとう!何かあったら言うて!私の方がでっかけん、篠田君くらいぶっ飛ばしちゃるけん!」


「ち……ちぃぃー!」


よほど申し訳無いと思っていたのだろう。雅美はえぐえぐと声を上げて泣き出してしまった。


こんな顔でも可愛く見えるのは、やっぱり雅美の特性なんだと思う。
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