【完】切ないよ、仇野君
三年生で、バスケ部主将の神楽木行雲(かぐらぎ ゆくも)先輩。
潤った艶やかな黒髪を少し長めのショートカットにして靡かせ、長く、びっしり生えた睫毛は大きな瞳を縁取り、小さな鼻と、ぷっくりした唇を持つ、女子より可愛い顔。
更に、180センチを裕に越えたその体はモデルのようにすらりとしており、その肌はシルクよりもキメ細やかで、白い。
校内一の美形と言っても過言ではないこの人は、全学年、女子どころか男子にまで注目を浴びている人だ。
けれど、口を開けば乱暴な方言を連発し、性格は、完璧九州男児。これは雅美情報なんだけどね。
近くで神楽木先輩を見るのは初めてで、思わずその麗しの美貌に見とれてしまう。
「かっ…………可愛い」
「テメェコラ!誰が可愛いやと!?」
「誰って、行雲キャプテンじゃね?」
無意識の内に口に出してしまった本音に即座に乱暴に返されビクッと肩を震わせる私と、慣れた様子でへらりと笑う小鳥遊。
仇野君は私を俵担ぎしたまま、その光景に穏やかに微笑んだ。
潤った艶やかな黒髪を少し長めのショートカットにして靡かせ、長く、びっしり生えた睫毛は大きな瞳を縁取り、小さな鼻と、ぷっくりした唇を持つ、女子より可愛い顔。
更に、180センチを裕に越えたその体はモデルのようにすらりとしており、その肌はシルクよりもキメ細やかで、白い。
校内一の美形と言っても過言ではないこの人は、全学年、女子どころか男子にまで注目を浴びている人だ。
けれど、口を開けば乱暴な方言を連発し、性格は、完璧九州男児。これは雅美情報なんだけどね。
近くで神楽木先輩を見るのは初めてで、思わずその麗しの美貌に見とれてしまう。
「かっ…………可愛い」
「テメェコラ!誰が可愛いやと!?」
「誰って、行雲キャプテンじゃね?」
無意識の内に口に出してしまった本音に即座に乱暴に返されビクッと肩を震わせる私と、慣れた様子でへらりと笑う小鳥遊。
仇野君は私を俵担ぎしたまま、その光景に穏やかに微笑んだ。