【完】切ないよ、仇野君
「ホントっぽかな。他ん女子みたいにキーキーうっさくなかし、俺ん野生の勘も働かんしな」
さっきまでの凄んだオーラを引っ込めた神楽木先輩はニッコリ笑う。
私は少しホッとして、胃に来ていた重みがそれだけで軽くなった気がした。
「じゃあ何で、ちーちゃんは自分が推薦されたて思う?ほんなこて、心当たりなかつ?」
「心当たり……あ、もしかしたら」
由貴先輩の問いかけに少し考えて、今朝のことを思い出す。
「小鳥遊が、左脇腹ば庇っとるように見えたけん、はよ治療したが良かろって、言いました」
「脇腹……ああ!今朝の、ゴール下ん特訓の時の行雲との接触!椿が怪我しとるとか、私も気付かんかったわ」
そんな私の言葉に由貴先輩は目を見開き神楽木先輩を指差す。
由貴先輩と目を合わせていた神楽木先輩が、丸くて大きな瞳を更にひん剥いて私を見る。
「あいつ等が連れてくるだけあるわ。お前、向いとるかもしれんな、マネジ」
そんな風に評価してもらったのは初めてで、少しの恥ずかしさと照れを感じて俯いてしまった。
さっきまでの凄んだオーラを引っ込めた神楽木先輩はニッコリ笑う。
私は少しホッとして、胃に来ていた重みがそれだけで軽くなった気がした。
「じゃあ何で、ちーちゃんは自分が推薦されたて思う?ほんなこて、心当たりなかつ?」
「心当たり……あ、もしかしたら」
由貴先輩の問いかけに少し考えて、今朝のことを思い出す。
「小鳥遊が、左脇腹ば庇っとるように見えたけん、はよ治療したが良かろって、言いました」
「脇腹……ああ!今朝の、ゴール下ん特訓の時の行雲との接触!椿が怪我しとるとか、私も気付かんかったわ」
そんな私の言葉に由貴先輩は目を見開き神楽木先輩を指差す。
由貴先輩と目を合わせていた神楽木先輩が、丸くて大きな瞳を更にひん剥いて私を見る。
「あいつ等が連れてくるだけあるわ。お前、向いとるかもしれんな、マネジ」
そんな風に評価してもらったのは初めてで、少しの恥ずかしさと照れを感じて俯いてしまった。