【完】切ないよ、仇野君
そんな会話をしているうちに校門にたどり着くと、雅美は小さな体をピョン、と弾ませて駆け出した。
「また後で教室でー!」
彼女にとって絵を描くのは至福の時。家では部屋に絵の具の匂いが充満するからあまり描けないぶん、学校へ来るのが楽しみで仕方がないのだろう。
「何あれ。お前と並ぶと米粒みたいやな」
「わっ!……ビックリした、ケイ先輩早かですね。おはようございます」
私が小さな雅美に和んでいる後ろから、私より数センチ大きなケイ先輩が顔をひょっこりと覗かせる。
迫田圭介(さこだ けいすけ)先輩……私が初めてバスケ部に顔を出した時、1on1でスゴ技を披露した人。
三年生の男子のリーダーグループにいる先輩は、スタンダードな黒髪のショートカットにきつめに吊り上がった一重の目、良く動く左に少し曲がったアヒル口を持つ、どこにいてもやけに目立つ先輩である。
性格も強気で男気のある性格で、良くキャプテンと仲良く言い合いしている言わば部活のムードメーカー的な存在だ。
そんなケイ先輩を始めこそ怖いかも、と思っていたけど、ケイ先輩の持ち前のコミュニケーション能力で解きほぐされてしまった。
「また後で教室でー!」
彼女にとって絵を描くのは至福の時。家では部屋に絵の具の匂いが充満するからあまり描けないぶん、学校へ来るのが楽しみで仕方がないのだろう。
「何あれ。お前と並ぶと米粒みたいやな」
「わっ!……ビックリした、ケイ先輩早かですね。おはようございます」
私が小さな雅美に和んでいる後ろから、私より数センチ大きなケイ先輩が顔をひょっこりと覗かせる。
迫田圭介(さこだ けいすけ)先輩……私が初めてバスケ部に顔を出した時、1on1でスゴ技を披露した人。
三年生の男子のリーダーグループにいる先輩は、スタンダードな黒髪のショートカットにきつめに吊り上がった一重の目、良く動く左に少し曲がったアヒル口を持つ、どこにいてもやけに目立つ先輩である。
性格も強気で男気のある性格で、良くキャプテンと仲良く言い合いしている言わば部活のムードメーカー的な存在だ。
そんなケイ先輩を始めこそ怖いかも、と思っていたけど、ケイ先輩の持ち前のコミュニケーション能力で解きほぐされてしまった。