【完】切ないよ、仇野君
「そういえば、行雲キャプテンも椿も来とらんね。泰ちゃん知らん?」
「あー……多分、今日は遅いか、来んかもしれんな」
はは、と声を出して笑う泰ちゃんはなんだか苦笑いにも見える。
もうとっくに来てても良い時間なのに朝練に来ないのを、泰ちゃんは理由を知っているよう。
「電話入れて急かしたけん今日はそろそろ来るばい。ほら!泰河!いつまでもちーちゃんにベタベタせんで練習入れ!」
いつから私達の会話を聞いていたのか、由貴先輩は泰ちゃんの背中を強めに叩いて練習を始めている部員に押し込む。
「全くあん子は……そぎゃん引っ付いとらんでもちーちゃんは誰も盗らんて」
「えっと……由貴先輩?」
由貴先輩の呟きの意味が分からず顔を覗き込むと『分からんなら良か』とその美人な顔をゆるりと和らげた。
「あー……多分、今日は遅いか、来んかもしれんな」
はは、と声を出して笑う泰ちゃんはなんだか苦笑いにも見える。
もうとっくに来てても良い時間なのに朝練に来ないのを、泰ちゃんは理由を知っているよう。
「電話入れて急かしたけん今日はそろそろ来るばい。ほら!泰河!いつまでもちーちゃんにベタベタせんで練習入れ!」
いつから私達の会話を聞いていたのか、由貴先輩は泰ちゃんの背中を強めに叩いて練習を始めている部員に押し込む。
「全くあん子は……そぎゃん引っ付いとらんでもちーちゃんは誰も盗らんて」
「えっと……由貴先輩?」
由貴先輩の呟きの意味が分からず顔を覗き込むと『分からんなら良か』とその美人な顔をゆるりと和らげた。