【完】切ないよ、仇野君
互いに礼をして、ジャンプボールに立つ、両校のセンター。
荒商のセンターも180センチを裕に越えた選手なのに、泰ちゃんと並ぶと小さく見えてしまう。
審判を勤めるうちの二年生部員の手からトスが上がると、その大きな体をひらり、と両者が翻した。
その一瞬の戦いを征した泰ちゃんの大きな掌にボールが当たり、弾けたボールは椿の手元に。
「一本!まずは一本取るよ!」
そのボールを、ゆっくりとしたストロークでドリブルする音が、大きく空間に響き渡る。
「「「「水高!水高!水高!」」」
新入部員とベンチの応援が飛び、更にドキドキが加速する。
ああ、始まるんだ。なんて当たり前のことに、いちいち心臓が加速度を緩めないんだ。
荒商のセンターも180センチを裕に越えた選手なのに、泰ちゃんと並ぶと小さく見えてしまう。
審判を勤めるうちの二年生部員の手からトスが上がると、その大きな体をひらり、と両者が翻した。
その一瞬の戦いを征した泰ちゃんの大きな掌にボールが当たり、弾けたボールは椿の手元に。
「一本!まずは一本取るよ!」
そのボールを、ゆっくりとしたストロークでドリブルする音が、大きく空間に響き渡る。
「「「「水高!水高!水高!」」」
新入部員とベンチの応援が飛び、更にドキドキが加速する。
ああ、始まるんだ。なんて当たり前のことに、いちいち心臓が加速度を緩めないんだ。