【完】切ないよ、仇野君
「あ、ちー先輩、今せっかくの白いオーラがもやっとしたばい」
考え事をしていると、ケイ先輩の奥に座る雫ちゃんが私に目線を向ける。
「ってか、ちー先輩と泰河先輩、最近オーラがくすんどる。バスケ部で一番青春一筋縄じゃいかんわー状態。だごキモいっス」
そのあまりにも毒舌で、的確なその言葉に、私は『ううう』と小さく唸ってしまう。
あの練習試合から一週間ちょっと、私と泰ちゃんは、少しだけ気まずくなっていた。
お互い接し方が変わったとかそういうことでは無いのだけれど。
あの日言われた言葉が私に濁りを与えて小さな隙間を作り、泰ちゃんも、私の頭を撫でる癖をやめた。
「ちー先輩ん近くに、鮮やかで直視すんのも億劫なくらいん赤いオーラがおるごたる。……荒商ん7番、かな。当たっとらん?」
雫ちゃんの目は、スピリチュアルなんていう言葉で片付けられないくらい凄い。怖いくらいに、事実を視られてしまう。
考え事をしていると、ケイ先輩の奥に座る雫ちゃんが私に目線を向ける。
「ってか、ちー先輩と泰河先輩、最近オーラがくすんどる。バスケ部で一番青春一筋縄じゃいかんわー状態。だごキモいっス」
そのあまりにも毒舌で、的確なその言葉に、私は『ううう』と小さく唸ってしまう。
あの練習試合から一週間ちょっと、私と泰ちゃんは、少しだけ気まずくなっていた。
お互い接し方が変わったとかそういうことでは無いのだけれど。
あの日言われた言葉が私に濁りを与えて小さな隙間を作り、泰ちゃんも、私の頭を撫でる癖をやめた。
「ちー先輩ん近くに、鮮やかで直視すんのも億劫なくらいん赤いオーラがおるごたる。……荒商ん7番、かな。当たっとらん?」
雫ちゃんの目は、スピリチュアルなんていう言葉で片付けられないくらい凄い。怖いくらいに、事実を視られてしまう。