【完】切ないよ、仇野君
「家まで送る」
「ばってん、泰ちゃん部活やろ?」
そんな私の答えを聞いた泰ちゃんは、いつものように困ったような柔らかな笑みを浮かべて、私の頭から手を離して自分の後頭部を掻く。
「うちの司令塔からの司令やけん。『特別ロードワークな!』ってね」
……あーもー、小鳥遊椿、何でこうも男前なんだろう。
二時間寝たからって、泰ちゃんへの気まずさは拭えないけど、でも。
二人きりになる時間をくれた椿は、世界で一番の男前だ。
「ごめんね、インハイ予選も近かとに」
皆の好意に、私は『ありがとう』より『ごめんね』ばかりを口にしてしまう。
こんな時、素直に『ありがとう』って言えたら、相当可愛いんだろうな。
「ばってん、泰ちゃん部活やろ?」
そんな私の答えを聞いた泰ちゃんは、いつものように困ったような柔らかな笑みを浮かべて、私の頭から手を離して自分の後頭部を掻く。
「うちの司令塔からの司令やけん。『特別ロードワークな!』ってね」
……あーもー、小鳥遊椿、何でこうも男前なんだろう。
二時間寝たからって、泰ちゃんへの気まずさは拭えないけど、でも。
二人きりになる時間をくれた椿は、世界で一番の男前だ。
「ごめんね、インハイ予選も近かとに」
皆の好意に、私は『ありがとう』より『ごめんね』ばかりを口にしてしまう。
こんな時、素直に『ありがとう』って言えたら、相当可愛いんだろうな。