【完】切ないよ、仇野君
変わるよ、仇野君
六月の頭、熊本は早くも暑くなり、制服は夏物に切り替わり、太陽も燦々と紫外線を照り付けてくる。
土曜の午前練が済み、インターハイ県予選が近付くバスケ部員は、部活が終わっても各々自主練をする人達ばかり。
「これから椿ん家でバスケ打てる奴きょしゅー!」
一軍メンバーは椿の断りも無く椿の家の庭の立派なバスケコートで自主練をすることも多くて、今日もそうみたい。
行雲キャプテンの大きな声に、ケイ先輩が意気揚々と手を挙げ、雫ちゃんもそれに続く。
そして、珍しいことに今日は泰ちゃんもそこに行くみたい。
「お、泰河珍しかな!妹ん世話は大丈夫とや?」
「はい、今日は親と遊園地に行っとるけん、午後からは空いとります」
泰ちゃんの返事に満足したキャプテンとケイ先輩は、泰ちゃんの大きな体を挟んで激しいボディタッチを始めている。