個人的事情につき“休暇をいただきます”
自宅に着けば。
いつまでも彼女を抱き抱えているわけにもいかず。
リビングのソファーに連れていき横にさせると。
俺はソファーに寄りかかるようにして床に座った。
仕事が終わったことと、自宅に帰ってきた安堵感で、フゥ…とため息が出る。
「ん…」
ソファーの上が窮屈なのか、モゾモゾと身じろぎをする彼女。
シャンプーの匂いなのか。
彼女からフワフワと漂ってくる甘い香りが鼻を擽る。
その香りにソワソワして、腰からゾクゾクしてくるなんて。
…俺、童貞かよ…。
そんな自分に呆れる反面。
無防備な彼女にどうしようもなく欲情している自分もいた。
…抱いてしまいたい。
自分の下で乱れる彼女が見たい。
「…酔っぱらってどうしようもない女を抱く趣味も、啼かせる趣味もねぇんだけど、な」
ソファーに横たわる彼女の頬に指を滑らせる。
「…なぁ、藍川。いいかげん起きろよ。
起きねぇなら…このまま抱くぞ…?」