個人的事情につき“休暇をいただきます”
「…聞いても、いいですか…?」
「なんだ?」
「いつから、気付いてました?」
「なにが?」
「私が…酔ったふりをしていると」
偶然居合わせた中村くんは気付かなかった。
それで“これならいける!!”って、思ったのに…。
「…中村なんかと一緒にすんじゃねぇ」
不機嫌丸だしにそう言った課長には。
私が考えていることがわかるのか、と感心していたら。
思考がダダ漏れだ、と頭を小突かれた。
「…酔ったふり、じゃなくて酔ってはいた。
でも意識はちゃんとしてたのはわかってた。
お前、そんなに酒弱くないだろう」
課長は私を抱き寄せると、髪に指を通しながら言葉を続ける。
「それなのに酔ったふりしてるなんて何を企んでいるのかと思ったら…抱かれてぇならそう言え」
呆れたようなため息を課長は吐いたけれど。
私も一応女なんですよ。
最初くらい誘われたいじゃないですか。