甘々な彼とスイートピーを。






「お前も、恋してんじゃねーの?」





と聞いてきた。





「…な、お前何言ってんだよ…!」





頭おかしくなったのか?





「前にお前は、彼女作らねーとかなんとか言ってたな。

何があったか知らんけど、

もう素直になればいいんじゃね?」





確かに俺は、彼女を作らない、


作れねぇ…






「言っとくけど、お前も顔に出過ぎだから。もう気付いてんだろ?」





頭に浮かぶ、1人の少女の顔。




「…ダメ、なんだよ。」




「はぁ?」




俺は誰かを好きになってはいけない人間なんだ。


きっと上手くいかないって分かってる。


「俺は誰かを好きになっちゃだめなんだ。」



そう言うと彼方は、今までにないくらいの剣幕で


「俺は、お前の抱えてるもんは正直分からねぇ。でもな一つだけ言えんのは、お前は何かから逃げてないか?」


俺が、逃げてる?

違う。


「違う、何も分からないのに気安く逃げてるとか言うな。これも全てあいつのせい…っ」


俺は何を言ってんだ。
彼方にあたってどうする。



「俺はお前のことをなにもわかってないよ。でもお前がなにかに耐えてんのは分かる。

それはお前を苦しめてるんだろ。お前の感情を制限してるんだろ。でもそんなんに負けていいのかよ!

俺が知ってる浩哉はもっと強かったはずだ。」



そうだ。
俺は逃げていたんだ。

何かを失うのが怖い。その恐怖感から。




「俺、舞が好きだ…」



そう言うとよく言ってくれたとでも言うように彼方はニカッと笑った。




ありがとな彼方。



俺はもう恐れないよ。



舞が好きだ。


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