ツンデレ社長と小心者のあたしと……zero
ミツアキの部屋にたどり着くと、彼はいつも二人分の飲み物を用意してくれる。
その横であたしは冷蔵庫の中を物色して彼が喜びそうなご飯を作る。
いつの間にか、当たり前になった光景。
あたしの華奢な体や、胸元にあるほくろや、長く伸ばした髪や、少したれ目な瞳や……そのすべてをミツアキは愛してくれた。
「控え目な所が特に好き」
そう言われた時には、ずっと短所だと思っていた内気な自分を好きになれた。
ミツアキを知れば知る程に、優しさに触れる度に、どんどんのめり込んでいく。
甘い甘い毎日……。
狭いワンルームの部屋は、二人で過ごすのにちょうどいいサイズ。
いつだってそこに彼を感じることができる。
手を伸ばせば……、
「何?どうした?」
ほら、こうしてすぐにミツアキを捕まえる事が出来る。
同い年のはずなのに、まるで妹を見るみたいな視線。
それがあたしを包むと、そのまま床に押し倒された。
何度もキスを落とすと、あたしのセーターに手をかけようとするから、
「ご飯……食べないの?」
と聞くと、
「後でいい。っていうか、あんなから誘ったくせに」
そう言いながら冷えた手があたしの素肌に触れた。
「誘ったんじゃ……」
その先は言わせて貰えず、唇がふさがれた。
ひんやりとした手の感触に思わず震えるあたし。
それに気付くと、ミツアキはエアコンのスイッチを入れ、そして再びあたしを抱きしめる。
「臆病なあんなが、たまにこうやって来るのがたまんない」
キスする場所を太股に変えながら、ミツアキは呼吸を乱し呟いた。