【完】女優橘遥の憂鬱
 「目隠しさせてあの三人は何をしたかったの?」


「三つの穴を同時に塞ぐことだ。はるかへの復讐だった」


「でも、お父さん思い出したんでしょう。私と同じように印しがあったことを……」


「あぁ、ヴァージンだって証拠は確かにあったよ。でもそんなもん、すぐに再生出来るんだよ。俺はそんな取材も遣らされていたから解るんだ。だからはるかに其処までさせたアイツが許せなったんだよ」


「違うよ。きっとお父さんとが絶対に最初だよ」


「そうだ。絶対にそうだ。俺はあの時、夜叉になったのかも知れない。はるかとアイツとの関係を疑った時に……」


「だから、私にあんなことさせたの?」


「そうだ。でもそれだけじゃ復讐にならないと思って、社長の言い付け通りに巨根のヤツに遣らせたんだよ。お前の苦しむ顔が見たくって。でもお前と本当は初めに遣りたかったんだ。はるかとアイツに復讐するために……」


「だから、行っちゃったんですか? 俺の後で?」


「お前は、俺の彼女としこたま遣ってた。でもそれでも飽きたらなくて、被写体相手を思う存分堪能してた。カメラマンのお前が、商売道具のカメラを俺に渡して……好き放題に遣ってた。頭に来たんだよ。娘の声が変わっていたのが解ってな」


「えっ!?」

父は気付いていたんだ。
私が彼にイカされたことを。
だから余計許せなかったんだ。


「お前の声を聞いた時、はるかとアイツ行為が頭を過った。言い訳じゃないが、気が付いたら俺も遣っちまってた。だから……『もっと力を入れろ。俺は気が短いんだ。みんなと同じ思いをさせないと後が怖いぞ』って苦し紛れに言ってたんだ」

父はそう言った後で彼を睨んだ。


「お前の後は物凄かった。きっと初めて生でやったんだろう。アイツは俺と遣る時だって用意周到だったから……でもそんなヤツを彼女は愛してるって言ったんだ。だから、いい拾い物をしたと言ったんだ。お前を地獄へ墜とす良い機会だと思ってな」


「いい拾い物って、やっぱり俺のだったんだ」


「他に何も無いだろう」


『あぁ、本当だ。マジに気持ちいい!! コイツはいい拾い物をしたな』

私は父の言葉を思い出していた。






「だからお前を苦しめたかった。はるかの娘と言う許嫁がいるのに、俺の彼女を寝取ったお前にも地獄の苦しみを味あわせたかったんだ。それが俺を裏切った二人への復讐になると思ってな」


「そんなに……そんなに恨んでいたんだ、お母さんを」




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