【完】女優橘遥の憂鬱
彼はあの時撮影された写真を両親の前に置いた。
それは私が初めてグラビア撮影した時の物だった。
二人はそれを見るなり目を背けた。
私だって、こんなのを見せられたらいやだ。
でも、どうしてもこれが必要なのだと彼は言った。
「母さんだったら解るだろう? 初めての時がどんなに痛いか? 監督は彼女が処女だってことを知ってた。知ってて、業界トップの巨根のヤツに遣らせたんだよ。前に椅子を置いて、手錠を掛けられて身動き出来ないように束縛させておいてから……。しかもいきなり……無理矢理後ろから捩じ込ませて……苦痛に喘ぐ姿を俺に撮影させたんだ」
「お前、そんなことしてたんか!!」
「処女だなんて知らなかったんだよ。でもそれもカメラマンの仕事なんだ。その写真を見てくれ!! それがその時のだ。その顔を見たら、どんな思いで彼女が耐えたいたか解るはずだよね? でも、俺はあの時してはならないことをしてしまった」
「何をだ」
父親が言った。
私はただ怖くて身を竦めるしかなかった。
私に恥をかかせるためではないことだけは解る。
でもいくら何でも、屈辱に耐えた日の全貌を話さなくてもいいと思っていたんだ。
「俺は衝動的に彼女を犯してしまった。持っていたカメラを他人に預けて……。カメラマンとして一番してはならないことをしてしまった」
遂に彼はカミングアウトした。
「俺はその時点で、監督から全てを聞いて解っていたんだ。彼女が騙されて其処に連れて来られたこと。安全日だから、スキンも何も着けずに遣らされたこと。そしてAVタイトルも」
「タイトル!? 」
「戦慄!! 橘遥処女を売る!! だった」
「処女を売る!? それじゃ……」
「そう、監督は彼女から要請でAVに出演させたんだと思わせたかったんだ。それには、こんな裏がある。事務所で彼女の育ての親の完済してる借用書を見つけ、彼女の健康管理表と一緒に盗んだことを隠すためだったんだ。事務所に彼女から売り込んだと思わせたかったからだよ。でも俺はそんなことよりも、疼く股間を満足させてやりたくて。たったそれだけの理由で身動き取れなくされた彼女をバックから襲ったんだ」
「辞めて、そんな話し聞きたくない」
母親は頭を抱え込み、それでも私を睨み付けた。
全てお前が悪い。
そう言われた気がした。
それは私が初めてグラビア撮影した時の物だった。
二人はそれを見るなり目を背けた。
私だって、こんなのを見せられたらいやだ。
でも、どうしてもこれが必要なのだと彼は言った。
「母さんだったら解るだろう? 初めての時がどんなに痛いか? 監督は彼女が処女だってことを知ってた。知ってて、業界トップの巨根のヤツに遣らせたんだよ。前に椅子を置いて、手錠を掛けられて身動き出来ないように束縛させておいてから……。しかもいきなり……無理矢理後ろから捩じ込ませて……苦痛に喘ぐ姿を俺に撮影させたんだ」
「お前、そんなことしてたんか!!」
「処女だなんて知らなかったんだよ。でもそれもカメラマンの仕事なんだ。その写真を見てくれ!! それがその時のだ。その顔を見たら、どんな思いで彼女が耐えたいたか解るはずだよね? でも、俺はあの時してはならないことをしてしまった」
「何をだ」
父親が言った。
私はただ怖くて身を竦めるしかなかった。
私に恥をかかせるためではないことだけは解る。
でもいくら何でも、屈辱に耐えた日の全貌を話さなくてもいいと思っていたんだ。
「俺は衝動的に彼女を犯してしまった。持っていたカメラを他人に預けて……。カメラマンとして一番してはならないことをしてしまった」
遂に彼はカミングアウトした。
「俺はその時点で、監督から全てを聞いて解っていたんだ。彼女が騙されて其処に連れて来られたこと。安全日だから、スキンも何も着けずに遣らされたこと。そしてAVタイトルも」
「タイトル!? 」
「戦慄!! 橘遥処女を売る!! だった」
「処女を売る!? それじゃ……」
「そう、監督は彼女から要請でAVに出演させたんだと思わせたかったんだ。それには、こんな裏がある。事務所で彼女の育ての親の完済してる借用書を見つけ、彼女の健康管理表と一緒に盗んだことを隠すためだったんだ。事務所に彼女から売り込んだと思わせたかったからだよ。でも俺はそんなことよりも、疼く股間を満足させてやりたくて。たったそれだけの理由で身動き取れなくされた彼女をバックから襲ったんだ」
「辞めて、そんな話し聞きたくない」
母親は頭を抱え込み、それでも私を睨み付けた。
全てお前が悪い。
そう言われた気がした。