【完】女優橘遥の憂鬱
 監督は、彼女が俺と同棲している事実を把握していた。詳しく調べてみたら、元カノの子供と許嫁だった訳だ。

監督の情報網を駆使すれば、それを割り出すくらいは簡単なことだったのだろう。


恋人を親友だった社長に奪われ、付き合っていた彼女をその娘の許嫁に奪われた。

監督はきっと腸が煮え繰り返ったのだろう。


其処で彼女から俺を引き離す行動に出たのだ。


偶々監督は借金をして、AVでも撮って返せと脅されていた。


其処で目を着けたのが、社長の行方不明の子供を探す取材の時に拾った彼女の親の借用書だった。


社長と結婚した恋人にそっくりな彼女を憎しみの対称にしたのだ。


名前を聞き出し、密かに彼女の体調管理表を見つける。

でも其処に書かれていた生年月日に唖然とする。
監督は本当は彼女が自分の子供ではないかと疑っていたのだ。

でも自分と結ばれるはるか前に、子供を宿していたことを知ってしまったのだった。


監督は、社長の行方不明になっている子供が自分の分身ではないかと思っていたはずだ。

だからアチコチ探していたのだろう。


そして……
到頭見つけ出したのだ。
社長が隠した橘はるかの子供を……

恋人の裏切りを知った時、監督は鬼になった。




 彼女には、報道カメラマンにしてやるとか何とか言ったのだろうか?

彼女はきっとそれを真に受けて、俺を監督の元に送り出してくれたのだ。


そんな彼女を俺は裏切った。
俺は橘遥さんに行ってしまった訳だ。




 監督は其処で格好の物を手に入れる。
それは、俺が渡したカメラだった。

監督は社長を脅そうと、彼女を襲っている俺を撮影したのだ。

でも、もう一つ悪巧みをした。

モザイク処理した映像をディスクに焼いて社長に送り付けたのだ。


それが、きっとこの強姦詐欺事件の真相のように思える。


借金を返すためにお金が要りようだった監督は、社長を脅かそうとしたのだ。

その戦慄!! 橘遥処女を売る!! が、予想をはるかに上回る売れ行きだったために、借金はそれで返せたのだ。

でも、それにアジをしめた監督は彼女を放そうとはしなかったのだ。

生で遣らせる橘遥。を売り出したのだ。


社長も監督も苦しんだのだろうと思った。

でも俺は、自分の子供ではないかと疑っていた監督が、彼女を犯した事実を許してはいけないと思った。




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