ねぇ、どうしたいの?
「ねぇ、一乃木(イチノギ)さん?」
「ぇ………」
「俺の顔、何かついてる?それとも見惚れてる?」
盗み見ていたはずが、いつの間にかガン見してしまっていたようで……。
は、恥ずかしい……!
思わず赤くなる顔を見られないように、慌てて下を向く。
「ご、ごめんなさい…」
そしたらクスクスと笑う声が聞こえて、
「一乃木さんって面白いよね。」
と言う呟きが聞こえた。
「え…!?」
顔を上げれば近くに笑う宮塚くんの顔。
これって誉められてるのかな……?
「それって――」
「いいから、早く仕事してね。」
「あ、はい!」
宮塚くんの有無を言わさぬ口調に慌ててペンを持った瞬間、教室のドアが音を立てて開いた。
ドアの方を向けば、一人の女子生徒。
見たことのない子だ…。
その女子生徒は恥ずかしそうに立ち、こちらを見つめた。
あ、これって……
「あ、あの!宮塚くん、少しお話が……」
やっぱり、告白ってやつですね……。