人魚
波
気になる
「青!」
「……青ってば!!!」
ユカのかなきり声に目を開けると、
4現の授業が終わったところだった。
「もー青は寝すぎだよぉ」
ユカがあたしの背中を軽くたたく。
あたしは軽く伸びをして、
「いんだよ、進級さえ出来れば」
あくびで出た涙を拭った。
あれから、もう3日が経とうとしていた。
あたしはなぜか、裕生の見せた背中が忘れられずにいた。
空の橙。
開かれる、錆びた扉。
吸い込まれるように闇に消えた少年。
繰り返し繰り返し
映画のように思い出す風景.........