Spicy&Sweet

「……僕のお菓子をどう味わおうと、僕の勝手だろ?」


――ああ、やっとわかった。本当の徳永さんって、こんなにも強引なひとなんだ。


「――きゃ!」

「……バーにいるとき気づいたけど、香水、こんな場所にもつけてきたのか」


突然抱え上げられたた太もも。

その裏に形のよい鼻をこすりつけながら、徳永さんが色気たっぷりの眼差しで私を見た。

背筋がぞくりとして、綿菓子の一部が甘く溶け出す感覚がする。


「……いっぱい、食べてください。その為につけてきたんです」


私が言うと、開かされた脚の向こうで徳永さんが妖しく微笑んだ。


「じゃあ……お言葉に甘えて」

「あ、徳永、さ――――」


言葉通りに、彼は私を隅々まで食べ尽くし、甘くしてあげる側であるはずの私の方が、何度もとろけそうな快感に襲われた。

溢れ出した蜜をすくって、その指を口に含み充分に味わってから、服を脱いだ徳永さんが私に覆い被さる。


「――あやめ」


彼は入ってくる瞬間、真剣な声で私の名を呼んだ。

幸せすぎて、思わず瞳から涙がこぼれる。

私、“ただの甘いもの”から、“あなたの大切なひと”に昇格できた――?


「―――んっ」


私の心の声に応じるように、唇を重ねてきた徳永さん。

角度を変えて何度も繰り返される情熱的なキス。

その間中ぶつかり合う腰からは、見えない火花が飛び散る。

そこで熱せられた私の香りと彼の香りが、混じりあって部屋中にたちこめた。


「ん、ぁぁっ……」


熱く熱く激しく

甘く切ない快感の連続。


私たちはシーツを蹴飛ばしながら、お互いの香りを、汗ばむ肌に深く刻み込んだ。


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