ごめんね、ボクのカラダ
「術後、体交の時に創部を擦って傷口が開いてしまって、それに気付かず抗生剤の点滴を続けました。しかし、裕樹さんの身体はその抗生剤に拒否反応を起しまして、白血球が異常増殖した後に血液が凝固せずに。看護師が気付いた時裕樹さんは既に意識はなく、ベッドから流れ落ちた夥しい血が床一面に・・・申し訳ございません。」

涙を堪えながら担当主治医は裕樹の家族に説明した。最後は土下座した。すすり泣く声だけが沈黙を裂いていた。


雨が上がったばかりの空に 白い雲が積み重なって、空が高い事が瞬時に分かる。

今年も夏が来る。そして来年も。その次の年も・・・


『ごめんな、何回も傷つけて。これで最後にしような。』
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