ごめんね、ボクのカラダ
「この状態じゃ帰せないよ。」

「マジですか?」

「うん、マジ。これ採血の結果ね。白血球、赤血球、血小板って有って、ず〜っと下
見て。一番下。」

「CRP。炎症値ですよね?これって。」

裕樹は既にこの体になってから何度も色んな検査をしてきた。血液検査なんて何十回
とやったか分らない。その度に自分の体を痛めつけてるような気がして、針を刺す毎
に『申し訳無い。ごめんな俺の体』と心の中でつぶやいた。そのせいか、結果表を一
目見て異常を来しているのが分った。

『うわっこりゃ白血球と赤血球と血小板のバランス悪りいや。しかもCRPが29.
9?尋常じゃないぞ。』
「先生、これ29.9って本当に?」

CRPとは血液中内にみられる蛋白質の一種で、炎症や血液組織が壊れていたりすると
数値が上がる。正常な血液の中には微量しか見られず、炎症の強さの指標になってい
る。通常は0.0-0.2mg/dlが正常値なのである。
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