ごめんね、ボクのカラダ
入院して1週間が経った頃、裕樹の左腕にはまだドレーンが繋がっていた。血管の細い
裕樹の腕は点滴針を何度も刺し直したと思われる赤い後が数ヶ所残っていた。離床で
きたのはそれからさらに数日後だった。

CTと撮り、MRIも撮った。

当初皮膚科管轄での入院だったが、院内カンファレンスによって整形外科にトランス
されていた。裕樹の担当医は王先生。中国人と日本人のハーフである。

病棟から外来に呼ばれそこで初めて王先生と対面した。まだ若い好青年といった印象だ。

「早乙女さん、単刀直入に言って後2,3日遅かったら敗血症にかかってましたよ。」
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