無愛想な彼が私を見ない理由



「じゃあ………私はこれで」


ニコッと笑って2人を見る。


『あ、葉月ちゃん。ありがと、手伝ってくれて……。

助かった』


早瀬さんはそう言ってまた、笑った。

大人っぽい早瀬さんとネガティブな私を重ねた。


…………とうていかなわない。


「じゃあ………」


くるっと2人に背を向けた。


図書室のドアを開けて、またさっきの廊下に戻ることにした。


すごいゆっくりのスピードだったけど。



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