無愛想な彼が私を見ない理由
『佐倉くんは早瀬さんのこと……』
《岡野葉月side》
『あ、ごめんごめん!待ったーーっ?
あれ?浮かない顔だね?』
「え、そうかな………」
叶波はたたっとこっちにきて、そう言った。
元気がないのは自分でも分かる。
『なにー?また佐倉のこと?
話してみなよ』
叶波は私の頭を撫でて、笑った。
相談してみよう…かな。
「えっと…………、あのね………」
叶波は私の話をじっと、うなずきながら聞いていた。
叶波は優しいから。