無愛想な彼が私を見ない理由



『あ、葉月じゃん。どこ行ってたのー?』


「あー、まぁ………ちょっとね…」


叶波への返事を曖昧にぼやかし、

のろのろと教室の自分の席に戻った。


ぐてーっと机に突っ伏して、顔を横に向けた。


そこからはちょうど、佐倉くんがみえる。


(昔は喋ることすら出来なかったんだよね…)


何回も彼を見る度思う。

不思議だなー………。


全部あの時したおまじないのおかげなのかな…。






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